英語の勉強

核融合炉が2025年に完成の計画/ 英語の翻訳

今回紹介するのは、数十年来の夢のエネルギーの技術である「核融合炉」が、2025年に完成の計画で建設が進んでいるようです。
実現すれば、炭素中立に大きく近づくこと、期待しちゃいますね!
しかも、プライベート会社が核になって、核融合炉建設を推進とのことで、2度ビックリです!

本日はSPACEさんのウェブページです
Nuclear fusion reactor could be here as soon as 2025
ややこしいのですが、核融合炉を建設しているSPARC社と、ウェブページのSPACE.comさんは、関係ないので、念のため。

 

この記事・核融合炉のポイント/ 核融合炉が2025年に完成の計画

核融合炉のタイプ

トカマク型と言われる、真空にしたドーナッツ型の反応容器に強力な磁場をかけて、プラズマを高温・高圧で閉じ込めて、核融合反応をさせるタイプです。
世界に100か所くらいにあるみたいですね。
国際研究機関のITERがフランスに建設中のITERや、日本のJT-60が代表例ですよ!
その構造は、量子科学技術研究開発機構さんのウェブページを見ると、良く判りますので、興味のある方は覗いてみてください。
ITERの本体とは?




核融合の原理

SPACEさんの記事には書いていませんが、MIT(マサチューセッツ工科大学)の、SPARCのカタログ(?)に、判りやすいマンガがありました。
SPARC The high-field path to fusion energy

リチウム + 中性子 => トリチウム + ヘリウム
重水素 +トリチウム => ヘリウム + 中性子

原理的には、重水素とリチウムがあると、ヘリウムとエネルギーが発生するわけです。
後で書きますが、原子炉に比べると少ないようですが、核廃棄物は発生するようで、それをどう処理するか?は依然として課題のようです。

SPARC炉の特徴1

なんといっても、その小ささが特徴ですね。
サイズ的にはSPARCはITERの1/3と小さいのです。
その理由ですが、高温(*1)超電導マグネットを使っているということです。
この材料により、SPARCでは21テスラに対して、ITERでは12テスラの磁界を発生する。
*1:一般に高温超電導というと、常温かもしくは少し冷却必要です。

SPARC炉の特徴2

今までの実験炉は、与えたエネルギー以上のエネルギーを発生来ませんでしたが、SPARCが予定通り完成すると、与えたエネルギーの2倍のエネルギーを発生できるようです。
そうなると、発電にエネルギーが使えるようになるわけです。

核融合炉完成のスケジュール

記事によると、完成スケジュールは以下のようであり、SPARCは早いテンポで進んでいるのが判りますねぇ。

マイルストーン SPARC  ITER
プロジェクト開始 2018年 2007年
建設着工 2021年 2013年
完成 2025年 2035年

SPARCは着工から4年に対して、ITERは22年ということで、エライ違いだなぁと思いました。
サイズ的にはSPARCはITERの1/3と小さく、建設期間も短いのかなぁと想像しました。

核融合炉による発電は、もう少し先です

2025年に完成する融合炉は、実験炉とのこと。
実際にお湯を沸かして、発電できるものは、2035年をターゲットにしているようですね。

核融合炉の安全性

さきにも書いたように、核融合も放射性廃棄物が発生するため、完全にクリーンとはいかないようです。
出てくる廃棄物としては、大きく分けて以下の2種類とのことです。
– ”トリチウム(3重水素)”
– 溶融炉のパーツに中性子が当たって、放射線源化してしまったメタルの材料類です。
核燃料の廃棄物は、原子炉に比べて圧倒的に少ないようですが、これらの放射性廃棄物の処理方法はクリアしてから、核融合を汎用化させる必要はありそうですね。

未来科学館のサイエンスコミュニケータ氏のブログに以下のような記事あります。
核融合発電に投資すべき?~トリチウムの放射線リスクを定量的に考える

また、日本原子力研究開発機構さんのウェブページにも、トリチウムのリスクはまとめられています。(リスク有りとのこと)
トリチウムの生物影響 (09-02-02-20)

加えて、アトミックデザイン研究センターさんのウェブページには、核廃棄物の経年変化の表がありました。
「核融合の実用化と 核融合の実用化と環境・エネルギー問題におけるその役割」
http://www.camt.eng.osaka-u.ac.jp/

 

 

記事の翻訳解説していきますね

少し見慣れない単語もありますが、構文としては平易に書かれているので、直接訳しますね。

核融合の原理

まずは、以下のパラグラフを訳していきますね。

During fusion, atomic nuclei are forced together to form heavier atoms.
When the mass of the resulting atoms is less than the mass of the atoms that went into their creation, the excess mass is converted to energy, liberating an extraordinary amount of light and heat.
Fusion powers the sun and stars, as the mighty gravity at their hearts fuse hydrogen to create helium.
But an enormous amount of energy is needed to force atoms to fuse together, which occurs at temperatures of at least 180 million degrees Fahrenheit (100 million degrees Celsius).

英単語・語句

nuclei: nucleusの複数形、atomic nucleus: 原子核
force together: 結合させる
extraordinary: 異常な、途方もない、けた外れな、目立った、非凡な、特別の、臨時の、特命の、特任の
liberate: 釈放する、解放する、権利を与える、遊離させる
mighty: 強力な、強大な、巨大な、壮大な、非常な、並外れた

翻訳です

=意訳=
核融合の時、原子核が結合してより重い原子を形成する。
その時、出来た原子の質量が、結合前の原子の質量より小さくなれば、その質量の差分は、けた外れな光と熱を放って、エネルギーに変換される。
太陽や星の核融合パワーは、その中心にかかる巨大な重力で、水素を融合してヘリウムを作りだす。
しかし、核融合には巨大なエネルギーが必要で、1億度の高温が必要だ。

 

 

SPARCは高温超電導マグネットを使っている

次の文です

SPARC will use so-called high-temperature superconducting magnets that only became commercially available in the past three to five years, long after ITER was first designed.
These new magnets can produce far more powerful magnetic fields than ITER’s — a maximum of 21 teslas, compared with ITER’s maximum of 12 teslas.

個別文の解釈です

こちらの文もシンプルなので、直接訳します。

=意訳=
SPARCは、ここ3~5年で市場に出回り始めた、いわゆる高温超電導マグネットを使っている。ITERはその前に設計されている(訳注:だからITERは高性能のマグネットを使えていない)
この新しいマグネットは、ITERよりも非常に強力な磁場を発生することができる。SPARCが最大21テスラなのに対して、ITERは最大12テスラだ。

 

おわりに

今回のページはいかがでしたか?

CO2排出量はゼロであり、現在の核分裂を利用する原子力発電よりは、核のごみの量も少ないようで、核分裂炉の代替としての成果をきたいしているところです。
ただし、トリチウムと外部構造材の核廃棄物の処理方法の研究もあわせてお願いしたいところです。

核融合の技術は、ウン十年前にモッティが中学生の時に読んだブルーバックスと全く同じ原理のようで、びっくりしました。
電磁石の性能アップと、プラズマの制御スピード上昇が、技術的なブレークスルーだったのだと想像しています。
一日も早い実験炉の完成をきたいしています!

 

以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

なお、わたしが英文を読み書きする際に使っている、アルクのウェブ辞書「英辞郎 on the WEB」の紹介を以下のページに書いています。お時間ある方は覗いてみてください。

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