英語の勉強

Study English ! in 技術トピック/ パワー・トゥ・ガス / convert A to B

温暖化防止のために自然エネルギーへの転換がすすんでますね。皆さんも、太陽光パネルをよく見かけるようになったのではないでしょうか?

その自然エネルギーを上手に利用するための技術の一つが、power to gas (P2G, PtG)です。技術的な補足はこのページの後半に書いてみました。

前回紹介した、ドイツ・ユニパ―社の発電燃料の水素転換の記事が有り、その背景になる技術ですね。

というわけで今日の語句ですが、記事に出てくるconvert A to Bです。

記事は、今回もPower Magazineさんからの引用です。

Why Power-to-Gas May Flourish in a Renewables-Heavy World

 




今回のページの内容です

本日の語句:convert A to B

本日の語句は、この記事の2セクション目の、一番最初の文です。

Power-to-gas (sometimes abbreviated P2G or PtG) describes the process of converting renewable energy to gaseous energy carriers such as hydrogen or methane via water electrolysis—mainly alkaline electrolysis, proton exchange membrane (PEM) electrolysis, and solid oxide electrolysis cells (SOECs).

== 今日のフレーズ ==

convert A to B

AをBへ変換する

それでは訳していきますね。今日のフレーズが使われているのは以下の一節です。

converting renewable energy to gaseous energy carriers

renewable energy(再生可能エネルギ)をgaseous energy carriers(ガス状のエネルギ担体)へ変換する。

この場合energy carriersを”エネルギ担体”と訳してますが、もう少しカンタンに言うと、”エネルギを運搬するモノ”という意味です。

carriersの後に”such as hydrogen or methane”

と続いており、水素とかメタンなどのガス状のエネルギ担体が、エネルギ(余剰電力)を運ぶ役割を果たすということですね。

via water electrolysis—mainly alkaline electrolysis,...

“via ~”は、一般的には”~を経由して”とか”~を通って”と訳します。

少し前から訳すと

“水電解を使って、水素やメタンのガス状のエネルギー担体に変換すること。水電解は、主にアルカリ型水電解、プロトン交換膜電解、個体酸化物電解(*1)の手法がある。”という意味です。

*1: SOCEはsolid oxide electrolyzer cellの略で、”個体酸化物電解”のほうが、より英語を正確に表している。一方、日本の経産省の報告書等では”高温水蒸気電解”の語がつかわれており、”高温...”の方が日本では一般的に使われているようである。

Power-to-gas describes the process…

ここが、本日の文の主語動詞です。

describeは通常であれば、”述べる”、”記述”、”描く”なのですが、ピッタリハマらないので、”意味する”と訳しておきます。

 

ということで、今日のフレーズを含む一文を訳すと以下のような感じですね。

パワー・トゥ・ガス(しばしばP2GやPtGと呼ばれる)とは、再生可能エネルギを水素やメタンなどのエネルギ担体へ、水電解を使って変換するプロセスを意味する。

水電解は、主にアルカリ型水電解、プロトン交換膜電解、個体酸化物電解の手法がある。

一文が長すぎるので、2文に分割して訳してみました。

それぞれの専門用語はIRENA (国際再生可能エネルギー機関)の以下のホワイトペーパから調べています。

再生エネルギーを利用した水素生産 ~エネルギー移行のための技術的展望~」(PDFがいきなり開きます。)

日本語なので、P2Gに興味を持たれた方は、ぜひ見てみてください。

記事のハイライトポイント

ここからは、技術的内容で興味の持てるポイントを紹介していきますね。

水素は燃料としてはもちろん、余剰電力の吸収体(担体)!

水素は燃焼させると、水しか発生しないので、CO2削減に寄与します。

でも、現在は水素は高価なので水素だけを燃やして発電し続けると、今より発電コストが高くなります。

一方、太陽光や風力の自然由来の再生可能エネルギーはCO2を排出しませんが、天気まかせ、風まかせの発電なので、需要に応じた発電調整がしにくいのです。

せっかく発電した余った電気はなるべく電池にためておきたいのですが、蓄電は大規模な余剰や、長期の備蓄には向かないのです。

そこで、水を電気分解することでエネルギーを消費して、水素にしておくわけです。

日本の取り組み(1)

ドイツの場合は、天然ガスのパイプライン網が整備されていて、どこの余剰電力でも、水素に変換して燃料として供給できるような、社会インフラが整っているようです。

一方、日本はパイプライン網はあまり整備されておらず、LNG備蓄基地のそばに発電所があるので、国内で発生した水素をどう融通するか?目途がたっていないように感じました。

しかし、発電所における水素リッチ燃料の研究は進められているようで、天下の三菱さんは30%混焼技術は確立済。いま100%水素の発電機(ガスタービン)を開発中とのことです。

水素発電ハンドブック」(PDFがいきなり開きます)

電力業界向けには、NEDOさんが、以下のような公募をされていました。

我が国における水素発電導入可能性に関する調査

別の記事では、MHPS社(天下の三菱さん)が米国向けに30%混焼のタービンは受注済とのことなので、日本にも水素発電が導入され、脱CO2に少しでも貢献してゆける日が近いことを祈っております。

日本の取り組み(2)

ついでなのですが、水素のサプライチェーンについては、ウェブ上には以下のような2件の記事も挙がっており、水素利用に関する技術的な問題は徐々にクリアされつつあるようです。

少し古い資料ですが、圧縮した水素を輸入する取り組み;

海外連携による水素エネルギーサプライチェーンの実現に向けた取り組み

水素をトルエンにくっつけて、安定した液体(メチルシクロヘキサンだそうです)として輸送する取り組み;

世界初、水素を輸送する国際実証試験を本格開始

 

 

いずれ、再生可能エネルギーの割合が大きくなった時に、水素化することによりエネルギーを一時的に蓄え、需給バランスの調整に利用される日がくると良いですね。

2020年の夏は、各地で40degC越えの日が続きました。

地球温暖化を少しでも抑えるために、何かできることをするというのは、あるべき姿かなぁと思いました。

 

 

以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

なお、わたしが英文を読み書きする際に使っている、アルクのウェブ辞書「英辞郎 on the WEB」の紹介を以下のページに書いています。お時間ある方は覗いてみてください。

英辞郎ProLite
ウェブ版英語辞書の英辞郎 on the WEB が超便利! 無料で使えるPro Liteもあり!英語学習を進めていくときに、ウェブ版英語辞書は必須です。私が使っている、英辞郎 on the WEBを紹介します。無料で高機能なPro Liteを私は使ってます! ...