CO2削減にはいろいろな技術がありますが、水素燃料電池もその一つですね。
水素の値段が高いので、発電に使うとモッタイナイような気もするのですが、今回の記事では、石油・化学工場から出てくる、余剰水素ではつでんというお話みたいです。
技術的な話は、後で書きますねぇ。
というわけで今日の語句(単語)ですが、記事に出てくる「fossil fuel」です。
記事は、今回もPower Magazineさんからの引用です。
「Innovative Byproduct-Hydrogen Fuel Cell Power Plant Completed」
今回のページの内容です
記事のハイライトポイント
ここからは、技術的内容で興味の持てるポイントを紹介していきますね。
発電電力は50MWと小ぶりです
どのくらいの規模かというと、50MWで小ぶりです。
参考1:東京電力の袖ケ浦発電所はLNGですが、1,000 MW x 3機 + 600 MW x 1機 = 3,600 MWです。
出典「電力供給設備」(東京電力さんウェブページ)
参考2:日本最大の太陽光発電所は 257MWです。
出典「日本全国の太陽光発電所(メガソーラー)一覧地図・ランキング」http://agora.ex.nii.ac.jp/earthquake/201103-eastjapan/energy/electrical-japan/type/8.html.ja (SSL化されてないので非リング)
そんなに大規模にするほどは、水素が余っているわけではなく、非炭素エネルギーの一つという位置づけですね。
燃やすよりも、電気のほうがエネルギーとしていろんな使い道がありますからね。
水素は化学工場からの、余剰水素
引用した、Power Magazineの中盤に書いてありますが、水素燃料は、ハンワ化学の工場から、副生成物として排出される余剰水素とのことです。
もともとは、燃やしているようですね。
水素は非常に燃えやすいので安全上の管理が厳しくなるのと、単位体積あたりの発熱量が通常の燃料より低いんです。
したがい、水素は燃料としては、天然ガスや重油と比較すると、あんまり使いたくないというのが、ホンネでしょうね。
そんな、あまった水素で発電ができて、売り上げになるんだったら、化学会社としてはうれしいですね。
水素燃料電池からの排水は少しよごれているのかな?
水素燃料電池は、単純に言うと
水素 + 酸素 = 水 + 電気 + 熱
です。
以下の記述からすると、燃料電池から少しは、微小な廃棄物質が出るようですね。
「These microfilters can catch particles smaller than 1 micrometer in width. They prevent pollutants including atmospheric dust from contaminating the electrochemical reaction that occurs in the fuel cells.」
「フィルタを使ってろ過しているので、汚染物質(pollutants)は出ません(から安心してください)」と書いてありますね。
書いてあると心配になりますよねぇ。
燃料電池では白金触媒などを使って水素イオン化するようですが、以下のページを見ると、触媒はツブツブにして接触面積をひろくしているようですね。
「東北大学院和田山研究室/ 燃料電池電極触媒」http://www.material.tohoku.ac.jp/~kaimenb/research1.html (SSL化されてないので非リング)
このツブツブが、水に混じって排出されてしまうのかもしれませんね。
燃料電池の知識
パナソニックのエネファームのウェブページに、水素燃料電池について結構広めに書いてあるので、興味ある方は見てみてくださいね。
「燃料電池とは」
(明日を創る技術の)東芝さんのウェブページにも同様に、水素燃料電池についてかいてあました。
燃料電池ではありませんが、エネルギー担体としての水素について、以下のページで参考リンクを紹介しているので、興味のある方は見てみてくださいね。

水素の課題
水素は、燃焼用の燃料としてなるし、電気化学的発電用の燃料にもなるので、供給が安定しない再生可能エネルギーのバッファとして、便利に使えるんですね。
技術課題は、燃えやすい、爆発しやすいというところを、どう抑え込むか?というところがネックです。
一時期、水素吸蔵合金なんていう技術も注目されましたが、ウェブ検索で調べてみましたが、あまり日付の新しい関連ページにヒットしていません。過去の技術課題がまだまだ解決できないようですね。
2020年の夏は、いくつかの都市で40degC越えました。
地球温暖化を少しでも抑えるために、何かできることをするというのは、あるべき姿かなぁと思いました。
記事のポイントを一緒に翻訳しましょう
本日の語句1:fossil fuel
本日の語句は、この記事の2セクション目の、一番最初の文です。
Hydrogen fuel cell energy differs greatly from fossil fuel electricity generation.
Conventional fossil fuel technology relies on combustion to produce steam and spin a turbine.
== 今日のフレーズ 1 (単語)==
fossil fuel
化石燃料
辞書を調べるとすぐに出てきますが、聞いたり読んだりしたことが無いと、パッと判りませんよね。
「(地中から)掘り出されたもの」という、ラテン語系の言葉が語源のようですね。
近年の温暖化で、悪者の代表ですね。
もう一つ、英語表現ぽい語句も挙げておきますね。
== 今日のフレーズ 2 (単語)==
A differ from B
AはBと異なる
different (ディファレント/異なる)という単語は聞いたことあると思いますが、differは動詞です。
Hydrogen fuel cell energy differs greatly from fossil fuel electricity generation.
単純な構文なので、単語さえ判れば訳すのにあまり迷わないと思います。
水素燃料電池エネルギーは、化石燃料と大きく異なる。
Conventional fossil fuel technology relies on combustion to produce steam and spin a turbine.
“to produce”は”combustion (燃焼)”にかかります。
直訳的に訳すと以下のようになりますね。
従来型の化石燃料技術は、スチームを作ってタービンを回すための燃焼に頼っています。
これだと、日本語的にこなれてないカンジがしますよねぇ。
もう少し意訳して、
従来型の化石燃料は、スチームを作ってタービンを回すために燃焼技術だけを使っています。
とこのくらいはギリギリセーフでしょうか?
化石燃料についての訳を見てきましたが、せっかく燃料電池の記事なので、燃料電池関連の特徴を説明した文も、次の章で一緒に見ていきましょう
本日の語句2:meanwhile, making A B
ここで紹介する文は、先の化石燃料の下りの後に来る2文です。
まずはmeanwhileが含まれる1文目から行きますね。
meanwhile: 一方で
Hydrogen fuel cells, meanwhile, combine hydrogen and oxygen in an electrochemical reaction to generate electricity.
Meanwhile, hydrogen fuel cells combine …と書き換えると主語、動詞が判りやすくなりますね。
お分かりの方も多いと思いますが、主語はfuel cells、動詞はcombineです。
ということで1文目を訳します。
一方、水素燃料電池は、発電するために電気化学反応を利用して、水素と酸素を結合させます。
making A B: AをBたらしめる
The only byproducts from this reaction are heat and water vapor, making hydrogen fuel cells an appealing way to cut carbon emissions, according to Hanwha Energy.
ちょっと複雑な文を選んでしまいましたが、このpower magazineの記事で、だいじなところなので挑戦してみました。
ポイントは2つあります。
- “make A B”で、”AをBたらしめる” と訳します。(makeのこの用法は前置詞を取らない第5文型なので、忘れている方は、少し戸惑うかもしれませんね)
- “making” は文法的に正しいのか判りませんが、よく使う用法ですね。making ~ を形容詞句として使って、前文全体にかけていますね。(文意からして、makeの主語がonly byproductsでは無いので、分詞構文では無い)
ということで、2文目を2つの文に分けて直訳的に訳してみました。
この反応からは、副生成物が熱と水蒸気しか発生しない。そして、ハンワエネルギー社によれば、そのことが、水素燃料電池を二酸化炭素排出削減の魅力的手段たらしめている。
これだと、例によって、日本語的にこなれてないカンジがしますよねぇ。
もう少し意訳するとこんな感じでしょうか?
ハンワエネルギー社によれば、この反応の副生成物は熱と水蒸気だけであるので、水素燃料電池は二酸化炭素排出の有力な手段であるとのことだ。
“make A B” を上手に日本語っぽく訳すのは、難しいですね...
加えて”~ ing”の形容詞用法まで混じってしまって...厳密性を欠くかもしれませんが、悪しからず...
以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
なお、わたしが英文を読み書きする際に使っている、アルクのウェブ辞書「英辞郎 on the WEB」の紹介を以下のページに書いています。お時間ある方は覗いてみてください。
